2011/11/09

かき氷 — 阿佐美冷蔵@埼玉県(2)


かき氷 — 阿佐美冷蔵@埼玉県(1)
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阿佐美冷蔵のかき氷は、今では非常に珍しく貴重なものとなった天然氷でつくられている。秩父の山中で、約4ヶ月かけて、丹精込めて育てられるとっておきの天然氷だ。

店内のメニューには、その天然氷の出来上がる過程が紹介されている。























  1. 10月、念入りに氷池を掃除。底に亀裂がないかチェックし、場合によってはセメントで修繕する。
  2. 11月中旬、沢の水を引き込む。水が凍り始め、7cmほどの厚さになると、氷上に立ち、毎日枯れ葉の掃除。
  3. 雪が降ると昼夜を問わず池に出かける。雪と同様、雨も注意。あまりにひどい場合は初めからやり直す。
  4. 厚さ14chに育ったら切り出し。切り出す大きさを測りながらヘラで氷面を削り、線を引いていく。
  5. 伝導カッターで切り出し作業を行う。ちなみに気温は氷点下。寒くて、雪や雨の少ない気候が最適。
  6. 切り出した氷を池から引き上げる。氷の大きさは50×70ch、重さ60kg。かなりの重労働だ。
  7. 氷を氷室に運ぶ。割ったり傷つけたりしないよう、細心の注意を払いながら氷室の中に積んでいく。



昭和5年に造られた氷池の掃除にはじまり、沢の水を引き込んでからは、来る日も来る日も、氷の上に落ちる落ち葉や雪を掃除する。
どれほど手間のかかる天然氷だろう。これほど丹精込めてつくられたかき氷など、そうお目にかかれるものではない。

店内に入り、メニューの裏に記された天然氷の作り方を見て、驚くばかりか、感心する。
どおりで、夏も終わり、徐々に涼しくなってきた10月初旬であっても、行列の絶えないお店というわけだ。


席にかけて、10分ほど待つと、かき氷が運ばれてきた。





「大きい」

一目見た感想だった。


"蔵元秘伝みつ"をかけ、ひとすくいして、口に運んだ。
驚くほどすぐに口の中で溶けて消えた。





"蔵元秘伝みつ"は、これまでに食したどんなかき氷のシロップよりも、上品な甘さがあり、深みのある味だった。

季節により、付いてくるものが変わるが、今回訪れた際に付いてきた抹茶あんが、これまた、違う響きを与える。

甘過ぎないが、これだけ大きなかき氷を食べ続けると、慣れてくる"蔵元秘伝みつ"の味わいも、抹茶あんをひとすくいすることを挟むだけで、最初に味わった"蔵元秘伝みつ"の味わいに戻る。
この"蔵元秘伝みつ"と抹茶あんは、絶妙なコンビネーションをつくっているのだ。

儚くも、口の中ですぐに溶けてしまう天然氷のかき氷。
阿佐美さんの自信作であるこだわりの"蔵元秘伝みつ"。

この組み合わせは、訪れた者にしかわからない、今の時代にめずらしいこだわりを味わえるヒトシナとなっている。



次のシーズンもぜひ。
いや、毎年夏にはここを訪れたい。そう強く思い、秩父をあとにした。





【阿左美冷蔵金崎本店】
・住所: 埼玉県秩父郡皆野町金崎27-1
・電話: 0494-62-1119
・ウェブサイト:http://rose.zero.ad.jp/vodka/

2011/11/02

かき氷 — 阿佐美冷蔵@埼玉県(1)


日本一のかき氷が埼玉県秩父にある。

阿佐美冷蔵

ここへは、都内からであれば、高速道路を使っても、片道2時間。電車で行くとしても、秩父鉄道上長瀞駅までは、同じくらいの時間がかかるだろう。
山に囲まれ、店の裏には、荒川が流れる。荒川と聞いて驚く人も少なくないと思うが、荒川は、埼玉、山梨、長野の三県が境を接する甲武信ヶ岳に源を発している。甲武信ヶ岳を起点として、荒川が東京湾へ注がれるまで、200km弱あるのだが、都内から阿佐美冷蔵まで向かうことは、荒川を上流まで遡る行程とも言えるかもしれない。

筆者が阿佐美冷蔵を訪れたのは、夏の暑さが消え失せ、涼しさが訪れる10月初旬だった。
山に囲まれているだけあって、夏は非常に涼しいようだが、10月初旬にもなれば、寒いと感じる人の方が多いだろう。

これだけ寒い中、かき氷を食べにきている人たちは、どれだけいるのだろうか?


阿佐美冷蔵へ着いて、まず驚くのは、季節に関係なく、長蛇の列があることだ。かき氷を拝むまで、1時間は待つことになる。

また、駐車場に泊まっている車から察するに、非常に広い地域からお客さんが来ていることがわかる。品川ナンバー、横浜ナンバー、湘南ナンバー、大宮ナンバー、長岡ナンバー、山梨ナンバー、などなど。

かき氷のための200km程度ならば、文句はない、ということなのだろう。

期待感は増す。






並びはじめてしばらく経つと、お店の方が、メニューを持ってきてくれる。


・きなこ
・フルーツ系
・せん茶あずき
・黒みつ白あん
…などなど。

非常に多くの種類があるのだが、筆者はかねてから、「蔵元秘伝みつのかき氷」を食すことに決めていた。






テレビや雑誌など、各種メディアでも取り上げられることの多い阿佐美冷蔵だが、以前、取材を拝見した際、その特徴でもある天然氷が近い将来とれなくなるのではないかという懸念を持っておられる、というお話があった。しかし、その際、阿佐美さんは、「天然氷がとれなくなっても、シロップで勝負できるように、シロップにも非常にこだわっている」というようなことをおっしゃっていた。


(※ 実際、シロップは、店内でも、このようにして販売されていた)


迷わず、筆者が、「蔵元秘伝みつのかき氷」を選んだのはこういうわけだ。

メニューから選び、店員さんに伝えて、しばらくして、店内に通された。



和風の店内に心落ち着く。




のれんをくぐり中へ進むと、奥に通された。






筆者の座ったテーブルの横には、「食べログ Best Sweets 2009」のシールが。
多くの人々に愛されてきたお店なのだろう。

日本一のかき氷に胸が膨らんだ。






…つづく


【阿左美冷蔵金崎本店】
・住所: 埼玉県秩父郡皆野町金崎27-1
・電話: 0494-62-1119
・ウェブサイト:http://rose.zero.ad.jp/vodka/

2011/11/01

Tottoki Blog


こんにちは、株式会社イタンジウムの古賀俊介(@shunsukekoga)です。

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